2012年06月06日

読んで面白い文学案内(2012/06/06)

昨日は番組でもご紹介しました、劇団四季 赤毛のアンの公演が函館市民会館で行われました。
遠い記憶の中にあった赤毛のアンが目の前に。さらに迫力のあるダンスや美しい歌声。
おしゃべりで不器用なアンや、彼女を見守る家族や友達の姿に心温まるひと時でした。
ご覧になった方、いらっしゃいましたらぜひ番組にも感想をお寄せください♪

さて、毎月第一水曜10時15分〜は「読んで面白い文学案内」です。
今月も北海道教育大学函館校 准教授 小林真二先生にお越しいただきました。
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今日のテーマは「啄木は夏蜜柑がお好き?!‐105年前の6月、大森浜で何が!?‐」
今年は没後100年ということで、市内でも何かと話題にのぼる石川啄木。
誰が読んでもスッと入ってくる素朴な文体が魅力なのでは、と話す小林先生。
先生も小学校の授業で習い、「歌っていいなぁ」という印象を持ったそうです。

縁の深い函館では、石川啄木が亡くなった翌年から命日に「啄木忌」が行われていますが、
その際、参加者に供されるのは出身地の特産物である「南部煎餅」、そして「夏蜜柑」。

この夏蜜柑は、回想記「汗に濡れつつ」で紹介している明治40年6月の友人との印象深いエピソードに由来。
当時大森浜で友人と遊んでいた啄木は、食べかけの夏蜜柑を砂浜に埋めることに。
暑いところで生まれた夏蜜柑が、北の浜の熱い砂の中に埋められる。
今日は南の故郷の夢を見るんだろうなどとロマンティックな空想を。
ところが、その後別の友人が目印をたどり、その場を掘ってみると、夏蜜柑は腐っていました。

大火を機に函館を離れてからの2年間、厳しい生活を送る中で、啄木の作品にも変化が。
ロマン主義から自然主義、そして最後は社会主義へと。
自身でも、ロマンティックは捨てなければというように、現実と向き合わざるを得ない状況に。
ロマンを夢見た夏蜜柑が腐ってしまったことからも、そんな心の動きを読み取ることができます。

函館には石川啄木以外にも、魅力的な作家がたくさんいる!とお話する小林先生ですが、
研究している3人のモダン文学者も啄木とは無縁ではないと語ります。
長谷川海太郎は啄木風の歌を書き、それに続く久生十蘭、水谷準と
誰もが啄木と同じく学校中退者であり、啄木から「不良文学少年の系譜」がある、と小林先生。

没後100年という記念の年にぜひ石川啄木の文学に触れてみませんか?
そこから、啄木に影響を受けている作家へとたどっていくのも、おもしろいかもしれませんね。

読んで面白い文学案内、次回7月4日(水)もお楽しみに♪
posted by やまがたあつこ&FMいるかスタッフ at 15:13| 週替わりコーナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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